2022年の幕開け
2022年を迎えて、ORIENTAL GATE 3年目の扉が開きました。ネパール発のエシカルファッションブランドとしての出発ですが、日本を含むアジア全体に活動の輪を広げて行きたいという思いと、少し前から気になっていたGATEという名前が組み合わされて出来た ORIENTAL GATE というブランド名は、ここにきて大きく意味を持つような気がしています。つまりコロナ禍の2年間を越えた後、全く新しい世界が始まるのではないか。そしてそれは日本を中心としたアジアから始まっていくのではないかと。その新しい世界を象徴するような名前を冠したブランドとしての思いを、年頭にあたり記していきたいと思います。
大きな名前を背負った小さなファッションブランドの歩みは、2020年のコロナ禍と同時であったため、社会全体がそうであったように、立ち止まっている方が多いぐらいのゆっくりとしたものでした。社会が動き始めた今、ようやくスタートラインに立てたような気がしています。そして、本当の意味で扉を開いていくのだという決意を新たにしております。
生産国のネパールでもコロナ禍が残した爪痕は大きいものがあります。私がブランド立ち上げ前から大事に温めてきたヒマラヤの伝統的毛織物・パシュミナが再び存続の危機に陥っています。
カトマンズから村へと人が帰り技術を持った職人が散り散りになってしまったことが一つの原因です。パシュミナに関する職業は不安定であるとあきらめてしまった人もいるでしょう。そしてヒマラヤのヤクや山羊を飼う生活をする人々も減少しているのでしょうか、原料の入手も難しくなってきているようです。
現段階では詳しいことは分かりませんが原価の高騰は免れないようです。そこは何とか凌ぐとしても、この状況が一時的なものに留まるように画策していかなくてはならないと考えています。今、「手仕事の伝統を絶やさず、未来へと繋げる」という一つの理念が、いきなり試されているように感じます。必要なものは机上の空論ではなく実践でありお金です。マーケットを作り発注できること、つまり安定したビジネスを拓くこと以外、今のヒマラヤの状況を救うことは出来ません。
幸いなことに、この2年の状況下でも本物のパシュミナの需要は確かにあることが分かりました。ヒマラヤのヤクと山羊の産毛を集める春がやってくるまでが勝負の時です。理念に基づく未来を作り上げるためには足元から。その山頂を思い描きながら一歩一歩進んでいく所存です。
2022年の年頭、いきなり大きな課題を前にしていますが、ようやく動けるという期待の方が大きいです。そして動くことによってこの状況を打開できますように願っております。決意を新たに精進して参ります。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。