ネパールに学ぶこと・幸せや生きがいについて
11月も後半となり、ポップアップも年内のゴールが見えて来ました。毎年この時期にお世話になっている谷中銀座近くのザ・エスノースギャラリーで出展中です。
■『Nature and Creation featured by ORIENTAL GATE Vol.9』
会期:2024年11月13日(水)~11月19日(水) *14日(木)は定休日
時間:11:30~18:30
場所:the ETHNORTH GALLERY (ザ・エスノースギャラリー)東京都台東区谷中3-13-6
あれから一年経ったのかと一年の早さに驚くばかりですが、去年のエスノースギャラリー出展中に自宅近くに事務所兼ショールームの情報を見つけて、年末に怒涛の引越しをすることになったのでした。それまでは事務所が遠かったこともあり、ポップアップが増えていく中での活動は、移転していなければ乗り切ることが出来なかったのは確実です。つくづく、私は薄氷の上を渡る天才かもしれません!(下の文章に続く)
(去年のブログ↓)
このギャラリーの二階で、昨年もネパールやスローファッションについて考えていたようですが、今年もORIENTAL GATE の生産地ネパールのことを書きたいと思います。
ネパールはご存知のように最貧国リストの常連。陸の孤島でインフラも遅れ、生きていくだけで大変な国です。ですが、日本人が学ぶべきところがあります。それは、自分を卑下しないところ、人と比べないところかも知れません。
日本人は、謙遜するという長所もありますが、それが行き過ぎていると感じます。スラッとして背の高いスタイルの良い方が、「私なんか大きいだけで役に立たない者で」と口にされたのを聞いて、なんと勿体ない!と感じました。他人から見ての長所すら否定するなんて。私は大分日本社会を離れていたので、そういう意味ではだいぶネパール人に近く、上でも述べたように自画自賛をして自分を褒めます笑。
日本人は自分が幸せと思う人がどれだけ居るのか分かりませんが、私にしてみると豊かな国、日本に生まれただけでもう幸せです。でもネパール人は幸せなのです。幸せは、本人がそう感じているかどうかの問題だと思います。
彼らの幸せは、家族が居ること、日常のお茶やお喋り、美味しいごはんにあります。自分であることを卑下せずに誇らしく生きていると思います。ヒンズー教のpuja と呼ばれる儀式を日々行なっていること、そして節目節目に自分に対してもpujaを行うことで、神様のように自分の尊さを自覚出来るからだと私は考えています。沢山あるお祭りも家族親戚の集まりも幸せでいる要因の一つかもしれません。
日本には様々なチャンスもある中で、人と比べることで疲弊しているように感じます。もちろん、仕事をきっちりする日本社会では、ストレスも沢山あるでしょう。日本レベルの仕事をネパールに求めても不可能ですしそれゆえの苦労もあります。社会も別物です。ですが、何はともあれネパール人は自分が大好き。どんな外見であろうと、堂々と踊ったり歌ったりする動画をアップする人達です。このメンタルは見習うべきだと思います。
日本社会で生きる上で、日本人特有の理屈っぽさを発揮して言うならば、「幸せとは」私は「自分らしくいながら、人の役に立ち、充実していること」かなと思います。生き甲斐があることとも言えるかもしれません。
でも、ネパールにいると、存在しているだけでオッケーということが当たり前な空気があるように思います。そして、人生は今だけ。あの世に行ったら、自分の持ち物は全部処分されて亡き骸と一緒に燃やされます。そういう意味では人生に対する潔さも、日本とは全く違うものがあると思います。潔く今を生きるネパール人の前では、悩むことさえ贅沢に思えます。幸せという価値観について、ネパールについて書いてみました。
ここまで書いて夜になり、私の元スタップが亡くなったことを知りました。一番年上で、4年ほど前に退職した彼は、度々孫の顔を見に海外に行くなど余生を満喫していた様子でしたので驚きました。まだ60代前半です。
経理担当だった彼とは私が若い時、ネパールの事務所でよく二人っきりになったものです。超のんびりした彼は、ネパールの神様の話や諺の話を楽しそうに教えてくれました。仕事中のその世間話の時間が私は好きでした。
また、私の可能性を一番信じてくれていた人でもありました。ともに難局を乗り越えた仲間でもあるネパールのスタッフ達。その中でも彼がどっしりとしていた事でどれだけ助けられたか分かりません。
彼がよく言っていた言葉。娘達も無事海外留学して就職して、言うこと無い。老後は夫婦二人でのんびりと「ハレラム・ハレクリシュナ♪」。その通り理想的な時間を過ごしていた事でしょう。不思議なことに今日実はその言葉をずっと思い出していました。彼が生涯幸せに生きたことは間違いありません。もう少し理想の老後が長く続けば良かったですが。ネパール人は日本人より呆気ないのです(涙) 。
今日はいつもとは違った指向の話になりましたが、いつもよりスピードを落としてネパールについて考えてみたのは、ビラムさんからのメッセージだったのかも知れません。それにしても何て楽しそうに笑うのでしょうか。私ももちろん幸せに生きていきます♪