秋のPOP UP ツアーとヒマラヤンシルクのお披露目 / ネパールの星逝く
神戸大丸のポップアップが終了した直後に、このブログを書いています。神戸は本当に明るい色で堂々とお洒落を楽しむ土地柄です。そんなファッショナブルな街で、沢山の神戸マダムがORIENTAL GATE のお洋服をお手に取ってくださいました。華のある装いを拝見しながらの接客はとても楽しく、また勉強になりました。ファッション好きな私としてはやり甲斐のある場所です。お客様の好みが分かったので、次回はシルクやカディの明るい色のお洋服を展開して、もっと喜んでいただけるよう是非また神戸に伺いたいと思います！
そして次は、沖縄県那覇市のリウボウ百貨店です。沖縄には鮮やかな色彩がとても似合うので、間違いなく綺麗な色のカディのお洋服が良さそうです。リゾートウエアを増やしていく方向性なので、今回の沖縄出展はとても良い機会です。沖縄のポップアップをとても楽しみにしております。
◾️POP UP SHOP
会期：2024年9月3日(火)〜9日(月)
時間：午前10時〜午後8時
会場：リウボウ百貨店 那覇 2階 イベントスペース
さて、先日は恒例の撮影を行いました。新しく展開するネパール産シルク、名付けてヒマラヤンシルクのコートとショールのコーディネイト写真をご覧ください。コートに使われているよこ糸のシルクは、手紡ぎゆえの凹凸があります。奥ゆかしくもしっかりしたシルクの光沢感が絶妙です。特に骨格ナチュラルさんは、いかにもザ・シルクというツルツルしたものよりも、このシルクの方が断然似合います。骨格ナチュラルに限らず、歳を重ねると素材感があるものが似合うようになってきます。肌の凹凸のせいでしょうか？とにかく高級感と素材感に溢れるこのシルクの威力を、妙齢のマダムは借りない手はありません笑！
コットンや麻には残念ながら出せない艶、そして圧倒的な軽さ、暖かさ、保温性、放湿性などなどの特徴は、シルクが繊維の王様と言われる所以です。このコートはたて糸に極細のコットンを使用しておりますが、含有量では７０％以上シルクになるため、このコートの分量でも驚くべき軽さです。
更にもう一つのアイテム、ヒマラヤンシルクのショールも非常に軽いのです。よこ糸に使用した座繰りの糸は、鍋の中に入れた沢山の繭から糸を引き出しながら捻り（より）をかけたものです。故に、独特の張りがあるのですが、それがふんわりとして纏わり付かない、羽のような軽さを可能にしてくれます。本当に素晴らしい素材を取り扱うことができることに幸せを感じます。
このシルク糸と布は、Nepal Silk という会社がJICAのプロジェクトで広がった養蚕プロジェクトの受け皿となり、生産されたものです。その会社が立ち上がった頃の14年ほど前に、私はこの会社の代表の女性と出会いました。弁護士でもあるとても明るくパワルフな女性で沢山冗談を言う、そのエネルギーに圧倒されるくらいの方でした。私はそのような活動家のネパール女性に会ったことで、とても元気づけられ、勇気をもらったことを覚えています。モヒニ マハルジャンという彼女は、女性の自立と生活の向上を目指し、シルク産業を発展させる夢を持っていました。昨年のネパール出張の際、10年ぶりの再会することが出来ました。その時既にご病気を抱えていらしたこともあり、少しお年を召した印象でした。今年の出張でこの夏訪ねたときは、お会いできませんでした。そしてショックなことに、今月後半に彼女は亡くなりました。
しかし、Nepal Silkには彼女の右腕のとても優秀な女性ギタさんが残っています。7月に出張で訪ねて、出来上がったシルクのコートを見せた時に撮った写真（下の2枚目）を、彼女がモヒニさんに見せると仰って下さったことを今思い返すと、「間に合ったな」と言う安堵の気持ちが溢れてきます。きっと病床でこの写真をご覧になり、喜んで下さったことと思います。
昨年ネパールの私のオフィスにお越しいただいた時、写真を撮りました。（1枚目）その時、私が10年を経て日本でアパレルの会社をしていること、ネパールのシルクを商品化していく意志を伝えたところ、本当に本当に喜んで下さっていたのです。
しかし、大きな夢を持ったネパール人女性のモヒニさんに最初にお会いした時に、私がそのシルクを日本で売るのだという夢と勇気を戴いたのは私の方です。その実現をギリギリでも見届けていただくことが出来たことで、彼女が安心して旅立てたのなら嬉しく思います。彼女はその姿だけで、実績と信念の大きさが伝わる人でした。ネパールで大きな影響力を持った方だったと思います。ご冥福をお祈りいたします。
そういうこともあり今回ファッションの街神戸でも、このシルクのコートもショールもちゃんと売れたことは、天国のモヒニさんにもギタさんにも何より嬉しい報告となります。まだまだ始まったばかりの、ネパールのシルクプロジェクトに、引き続きご注目くださいませ。
