ネパール出張報告・続ヒマラヤンシルクの商品化
2025年、最初のブログとなります。本年もORIENTAL GATE を宜しくお願い申し上げます。
年明け早々から、ネパール出張に行ってまいりました。コロナ禍前は、年２回のペースで出張をしておりましたが、ここ３年の出張のペースは年一回でした。海外へのハードルも元に戻った今、行こうと思えばすぐに行けるという状況が当たり前じゃなかったことが不思議に思えます。半年ぶりのネパールは、つい最近に感じられるほど。この間隔で行くと、素材の開発も進みやすいなと思いました。
アトリエでのパターン製作やマーケットリサーチ。現地に居ることを最大限に活かしながら仕事に没頭する一週間でした。もともと、アパレル会社にいたこともなければアパレルやテキスタイルデザインの勉強をしたわけではないのですが、だからこそ大胆にやれてしまう。全てが自己流だからこその強みというのでしょうか。（パターンは文化服装学院の通信教育を完了しました。）とにかく素材×色×デザイン→服という全てを自分で選んで形にしたい欲がとても強いのは確かです。
もともと子供の頃からモノ作りに没頭し、素材探しをするのが常だった私はあらゆる生地屋や手芸屋を巡り尽くし、高校生の頃には作りたい素材がない状態でした。そんな私にとって、最初にネパールを訪れて思ったイメージは一言で言うと素材の宝庫、巨大なアトリエだったのかもしれません。何度も書いているように、その当時に出会った本物の手紡ぎ手織りのパシュミナをはじめ、（弊社が扱っているものはそれを復興したものです）、インドから入ってくるコットンやシルク、麻、とあらゆる自然素材が揃っていたのですから。
最初から、モノ作りの視点を持った私が密かに憧れていたデザイナーという仕事、イギリス大学院留学時代に関心を持った開発という分野の課題、その二つを同時に実践するという大きな挑戦をすることになったのは26年前の今頃でした。当時26歳。人生の半分、ネパールと関わっていることに今、気がつきました。その当時から一緒にいるスタッフは、家族同様です。
今回特に見ておきたい素材は、ネパール産のシルクでした。私が在住していた頃にJICAによる養蚕の振興事業が足掛け10年ほど行われていました。その置き土産のシルクは、まだ服としては本格的に日本に輸出されていませんでした。第１号の布による服としての商品化は、半年前の出張で開発した手紡ぎシルク糸のコートでした。（＊このコートは、本当に良い！軽くて暖かいのは最強です。）
すでに第２号の布によるストールとシルクブラウスは、今年最初のポップアップ（丸善日本橋店1月22日〜28日）からご覧いただけます。楽しみになさって下さいませ。第3、第4号と続くシルクの使い方の可能性をこの出張で見出してきました。まずはどの糸同士をどのネットサイズで織っていくか、サンプルを作っていくことから始めます。そういう地道な下準備を進めることによって、最適な生地を見つけ出していきます。楽しみな作業でもあります。
かつてネパールで行われたJICAの養蚕振興事業で、製糸の段階で調査が行われた結果、他の国のように大規模な製糸工場が導入されることはありませんでした。その代わり、手紡ぎと座繰りという２種類の手仕事による製糸方法が導入されました。その方法を守りながら、女性経営者による女性の自立のためにネパールシルク産業を広げようとしている会社に、10年以上前からご縁がありました。いよいよ、いやようやく。私もその趣旨に賛同する経営者として本格的に関わることができている今、続けてきて良かったという思いでいっぱいです。
「ネパールのシルクをネパールで最終加工し、日本の百貨店で売る」という夢は、すでに叶っています。さらにシルク商品の割合が増えていくことで、将来的にはシルクブランドとしてのORIENTAL GATE が誕生していることを夢見て、一歩一歩目の前のことに取り組んでいきたいと思います。
2025春夏のポップアップツアーが始まります。
◾️Himalayan Treasure Vol.9』 – ネパールの自然と伝統を未来へ –
会期：2025年1月22日(水)〜1月28日(火)
時間：午前9時30分〜午後8時
会場：丸善日本橋店 B1F イベントスペース
■ POP UP SHOP ＠布百貨店
会期：2025年2月6日(水)〜2月11日(火)
時間：午前10時〜午後7時
会場：静岡伊勢丹 6階 プロモーションスペース
■ ORIENTAL GATE POP UP SHOP
会期：2025年2月12日(水)〜18日(火)
時間：午前10時〜午後8時
会場：新宿伊勢丹 5階 イーストパーク
この先の予定は、ぜひスケジュールのページをご覧くださいませ。
それでは、また皆様にお目にかかれることを楽しみにしております。是非、お近くのポップアップ会場へお越しくださいませ。
